競輪選手の乗っている自転車について
2018/07/25
競輪は選手が自転車で競走するスポーツです。ご存知のように、競馬や競艇などと同様に公営ギャンブルとして開催されていますが、近年ではオリンピック種目にもなったことで、ギャンブルという枠を超えた立派なスポーツ競技としての評価も高まっています。
その競技としての競輪はさておき、公営ギャンブルで各選手が乗っている自転車は実はその選手の私物なのです。もちろん競技上のレギュレーションがあるので、それに適合した仕様でないといけませんが、各選手ともそのルールの中で自分に最適なセッティングを施しています。
極限まで速さを追求した自転車なので、ブレーキやスタンドは付いていません。
スタート時は専用のスタート台からスタートし、競技中にブレーキを掛けることはないので、少しでも重くなったり、走行の邪魔になるような余計なものは一切付いていないのです。車体の総重量も7キロ程度しかなく、片手で簡単に持ててしまうほど軽いのが特徴です。
そして、一般の自転車とはチェーンの構造が違い、ピストと呼ばれるタイプになっています。このピストタイプの自転車はタイヤが空回りしない構造になっており、いわゆる惰性走行ができません。よって、走っている間は常にペダルを回している必要があり、このペダルを緩めることで、ブレーキ代わりにある程度減速ができるようになっています。
また、スポーツ自転車には必ず付いている変速機能がありません。これはレギュレーションで禁止されており、ギアが1つだけなので重くするほど最高速は出ますが急な加速ができません。
どの程度のギアを選択するかはレースごとに選手が自分で決め、それは新聞などにも数値で発表されます。予想する側はこの発表されたギア比を見て、この選手は逃げるのか追い込むのかといったことを予想する訳です。このように競輪で使用する自転車は同じ自転車同士でも、一般の自転車とはかなり異なると言っていいでしょう。
普通に購入できる自転車の中にも競輪で使用しているようなピストタイプのものがありますが、公道を走る場合は必ずブレーキを付けることが義務付けられています。
競輪用の自転車でそのまま公道は走行できません。競輪選手が「ロード」と呼ばれる公道を走る練習を行う事がありますが、その場合もいつもの自転車にブレーキを付けて乗っています。
またはロード用の専用の自転車で走っていることもあります。
この自前の自転車をルール内で自分で調整して走っているということが分かると、競輪の見方が面白くなるかも知れません。競輪選手にとって、競技で乗る自転車は文字通り愛車です。大きなレースの前には、自分の自転車に祈っている姿を見ることもできます。競輪に興味のある人は、愛車に乗って戦う選手の姿を是非一度は、競輪場で実際に観戦してみてください。