人間がレースをする醍醐味がある競輪
2019/10/07
日本には国や地方自治体が主催している公営ギャンブルがあります。
競輪は公営ギャンブルのひとつで、自転車で競走する選手の順位を的中させるゲームです。公営ギャンブルとして人気の高い競馬と大きく違う点は、走っているのが人間だという点です。競馬の競走馬は、騎手によってコントロールされてはいますが、基本的に戦略を持たずに走っています。
しかし競輪選手は、走っているすべての選手が様々な戦略を持って、レースに挑んでいます。できるだけレースの上位に入り、賞金を得るために、競輪選手は様々な戦法や戦術を駆使して走ります。そのため競輪では選手が繰り出す様々な戦法を前提にして、予想を立てる楽しみがあります。
競輪選手の主な戦法には「先行」「追い込み」「まくり」などがあります。若くて力のある選手は、レースの序盤からリードして、最後まで抜かせないように走り抜きます。圧倒的な実力を持つ勢いのある選手は、先行から逃げ切る強い勝ち方をする事があります。
一方でベテラン選手は、先行選手の後方に待機し、風の抵抗を和らげながらレースを進めて、体力を温存してレース後半まで勝機を伺います。ここぞというタイミングで追い込みをかけて、最終的に先行してレースを終える事を狙います。短い距離のダッシュ力に自信がある選手は、レースの最後にまくりをかけて、一気に先頭に立つ事を狙います。
自分の実力や脚力を冷静に判断して、自分の得意の戦法を持つ選手が勝てる選手という事になります。また競輪選手は単独でレースに挑むケースもありますが、同じ出身の選手がチームを作って戦うケースもあります。
同じ出身の選手同士の力関係などを考えて、どの選手が優先して先着するのかどうかを予想するのも、競輪の楽しみです。
また競輪学校で同期だった選手同士がチームを組む事もあります。このようなレース中に組まれるチームの事を、競輪では「ライン」と呼びます。単独の選手の力を比較するとともに、ラインの力関係を元にレース展開を予想していきます。このようにお金をかけてレースを楽しむ観客は、同じレースに登場する競輪選手の戦法を元に、レースをイメージします。
イメージ通りにレースが進み、ゴール順を当てる事ができた時は嬉しいものです。
もちろんお金が増える喜びもありますが、レースを読み切ったという誇らしい気持ちになる事ができます。競馬の結果を当てるよりも想像力や知識などが求められる、そのようなイメージが競輪にはあります。