競輪は奥の深い自転車競技です
2018/07/25
現在日本で公営ギャンブルとして認められている競技には、競馬やボートレース(競艇)、オートレース(バイク)、そしてこの競輪がありますが、この競輪だけが言わば自力で競走するレースを賭けの対象にしています。
競馬は実際には馬が走り、ボートやバイクも機械を操っての競走ですが、競輪だけは自転車を自力で漕いで走ります。それだけに、賭ける側もその出走選手自身に対して賭けているという気分が、一番大きいギャンブルだと言えるでしょう。
そのような理由から、人間同士の争いとも言える競輪ですが、それだけに選手同士の組み合わせが予想にはとても大事になります。いざレースになれば先輩や後輩などは関係ないとは言え、実際にはそうでもありません。それが顕著に現れるのが競輪だと言うことができます。
現在の競輪では先頭固定制というレース形式になっているので、最後の周回までは基本的に1列や2列で走行します。これは少しでも風の抵抗を減らす為ですが、この風を受ける前を走る役を若い選手がやらなくてはいけないことが多いのです。
また、新聞などの競輪の予想欄には各選手の出身地が記載されていますが、これも重要な予想の要素となります。同じ出身地同士で固まり、列を形成することが多いからです。
競輪を少しでもかじったことがある人であれば、”関東ライン”などという言葉を聞いたことがあると思います。これは正に関東出身者同士で列を形成するだろうという意味で、予想をする側もそういったことは承知の上です。
よって、同じ出身地の先輩と後輩が一緒のレースに出ていた場合、後輩の方が前を走って風除けになり、先輩の方はその後ろの位置で抜け出す機会を伺うような展開が予想できます。
もちろん他の選手も位置取りを考えてくるので、そううまく狙い通りにはいかないこともあったり、選手同士の力の違いもあるので、このような点を総合して予想をしなくてはいけません。レース自体もそうですが、この予想がとても面白いのが競輪です。
また、競輪では選手が運転する自転車のギア比というものが公開されています。これが高いほど最高速は伸びますが、その分ペダルが重くなり、加速がつかなくなります。
つまり、これを高くしている選手は先行をする傾向が多く、低い選手は最後に追い込んでくるということになり、このギア比も予想には大切な要素になります。
競輪は日本で発症した競技ですが、現在では夏季五輪の種目にもなっているように、世界でもメジャーな自転車競技の1つになりました。競輪の選手は公営ギャンブルのレースを走るだけでなく、日本代表としても活躍しています。このように、単に公営ギャンブルという枠だけに留まらないところも競輪という自転車競技の魅力だと言っていいでしょう。